『おもいで写真』とは

葬儀へ行かれたことがある方はご存じだと思いますが、祭壇にはたくさんの花が供えられ、真ん中に故人の写真が飾ってあります。
私も仕事の関係で何度も葬儀場へ足を運ぶのですが、祭壇を見てふと思いました。
『遺影の写真が残念だな…』
なぜかというと、どの写真も昔撮った集合写真などを引き伸ばし、着物やスーツ姿に無理やり合成しているからです。小さな写真を引き伸ばせば当然画質は粗くなり、合成し無機質な背景にすれば不自然な仕上がりになります。

遺影は友人や家族に見てもらう最後の写真ですが、それだけではなくお部屋や仏壇に飾り何十年、何百年と残るものです。どんな遺品よりも毎日目にし、家族との思い出を繋ぐ大切な写真になります。写真を残すことは自分のためでなく家族のためです。

最近では終活という言葉が使われるようになりましたが、元気な頃に写真を残そうという人は多くはいません。残した方がいいとわかっていても、わざわざ着替えてスタジオまで出向くのは正直面倒くさいですし、まだ撮影するタイミングではないと思う方が大半ではないでしょうか。

今ではスマホが浸透し誰でも気軽に写真が撮れる時代になりました。
ですが自分の写真を残す人はほとんどいません。
ぼくも家族や友人を亡くし、写真の大切さが身に沁みました。
写真を見るだけでその人との思い出が蘇ります。

「撮りたいけど迷ってる」
「気楽に撮ってもらいたい」